【悲報】ウコンも、プリン体ゼロも。お酒好きに告げる不都合な真実
忘年会、新年会、日常の晩酌。 お酒を楽しむ機会が多いこの季節、私たちがつい頼りたくなるのが「お酒の害を帳消しにしてくれる(ような気がする)アイテム」です。
飲み会前の「ウコン」、健康を気遣った「プリン体ゼロ」ビール。 これさえあれば、二日酔いにならないし、痛風も怖くない……そう思っていませんか?
今回は、新刊『最新科学が覆す 体にいいのはどっち?』の中から、そんな「お酒飲みの不都合な真実」を2つ、シェアしたいと思います。
「ウコン」は二日酔いに効く?
「今日は飲むぞ」という日の前に、コンビニでウコンのドリンクをグイッと一本。「これで明日は安心!」と思いたくなる気持ち、よく分かります。
しかし、そんなあなたに残念なお知らせがあります。 実は、今のところ「ウコンが二日酔いに効く」ということを、科学的に証明した質の高い研究は「全く」報告されていません。
確かに、ウコンに含まれる「クルクミン」という成分には、肝臓を助ける働きが期待され、動物実験レベルでは一定のデータがあります[1,2]。 しかし、人間と実験動物は全く別の生き物。それが人間のつらい二日酔いを軽くするという確認はとれていないのです。
面白いことに、二日酔い対策の定番は国によって全く違います。 日本では「ウコン」ですが、イギリスでは「ミネラル(カリウム等)」、オーストラリアでは「ビタミンB群」が人気だそうです[3]。 国によって頼る成分すらバラバラであること自体が、「科学的な正解(特効薬)」が存在しないことを物語っている、と言ってもいいかもしれません。
過去の二日酔いに関する研究をまとめた論文も、「二日酔いを確実に防げるサプリや薬は見当たらず、唯一の方法は酒の量を減らすかやめることだ」という、お酒飲みにはあまりに残酷な結論を導いています[4]。
二日酔い対策に、手っ取り早い「足し算(サプリ)」はありません。お酒の量をほどほどにする「引き算」こそが、専門家が推奨する唯一の対策なのです。
「プリン体ゼロ」ビールなら、痛風にならない?
「最近、尿酸値が気になるから…」と、プリン体ゼロのビールを選んでいるあなた。 その努力も、実は的外れかもしれません。
たしかに、そのビールにプリン体は入っていないかもしれません。 しかし、実は「アルコールそのもの」にこそ、尿酸値を上げてしまう強力な働きがあるのです。
アルコールには、以下の2つの作用があります[5]。
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肝臓で新しい尿酸を作るのを促す
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腎臓から尿酸を排出するのを邪魔する
つまり、「作る量」が増えて「出す量」が減るというダブルパンチ。たとえビールのプリン体がゼロでも、アルコールが入っている限り、あなたの尿酸値は上がり、痛風発作のリスクは高まります。
さらに言えば、体内のプリン体の約7割は、自分自身の細胞の新陳代謝で作られており、食事やビールから摂取する量は全体の約3割に過ぎません[6]。 その3割の内訳も、大半はお肉やシーフードです。ビールだけのプリン体をゼロにしたところで、全体への影響は微々たるもの、というわけです。
人生、そんなに甘くないのです。
世界の専門機関も、痛風リスクがある場合は、お酒の種類にかかわらず「アルコールそのものの量を控える」ことを強く推奨しています[5,7]。
「プリン体ゼロ」かどうかではなく、お酒全体の量をコントロールしないと「痛風ゼロ」にはできません。
抜け道を探すより、正しくリスクを理解して楽しむ
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ウコンを飲んでも、飲み過ぎれば二日酔いになる。
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プリン体ゼロでも、飲み過ぎれば痛風になる。
科学が突きつけるのは、「アルコールの害を帳消しにする魔法はない」という現実です。 しかし、これは「一滴も飲むな」というメッセージではありません。
「これを飲んだから大丈夫」という誤った油断を捨て、リスクを正しく理解した上で、適量を美味しく楽しむ。 それが、大人の賢いお酒との付き合い方ではないでしょうか。
新刊『最新科学が覆す 体にいいのはどっち?』では、このように私たちが信じていた「健康の抜け道」や「思い込み」に対して、忖度なしの科学的な結論を示しています。
あなたの体を本当に守る選択をするために。 ぜひ、本書をお役立てください。
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参考文献
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Mohan R, Jose S, Sukumaran S, et al. Curcumin-galactomannosides mitigate alcohol-induced liver damage... J Biochem Mol Toxicol. 2019;33(6):e22315.
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Wang F, Li Y, Zhang YJ, Zhou Y, Li S, Li HB. Natural Products for the Prevention and Treatment of Hangover and Alcohol Use Disorder. Mol Basel Switz. 2016;21(1):64.
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Zijlstra MN, Schulz SE, Išerić E, Barré Q, Scholey A, Verster JC. A comparison of the United Kingdom, Australian and Japanese hangover product market. Drug Alcohol Rev. 2025;44(4):1278-1284.
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Pittler MH, Verster JC, Ernst E. Interventions for preventing or treating alcohol hangover: systematic review of randomised controlled trials. BMJ. 2005;331(7531):1515-1518.
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FitzGerald JD, Dalbeth N, Mikuls T, et al. 2020 American College of Rheumatology Guideline for the Management of Gout. Arthritis Care Res. 2020;72(6):744-760.
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Zhang Y, Chen S, Yuan M, Xu Y, Xu H. Gout and Diet: A Comprehensive Review of Mechanisms and Management. Nutrients. 2022;14(17):3525.
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Stevens PE, Ahmed SB, Carrero JJ, et al. KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease. Kidney Int. 2024;105(4):S117-S314.
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