認知症介護者は将来の認知症リスクが高い? 米国の研究が示す、介護者の見過ごされがちな健康問題

急速な高齢化が進む日本で、認知症は多くの人にとって身近な課題でしょう。家族が認知症と診断され、介護に奮闘している方も少なくないと思います。そんな中、その献身的な介護が、実は介護者自身の将来の健康、特に「脳の老化」のリスクを高めている可能性があるとしたら・・・。米国から出された報告は、まさにこの事実を指摘し、警鐘を鳴らしています 。
山田悠史 2025.06.25
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介護者が抱える、見過ごされがちな認知症リスク要因

米国の「the Public Health Center of Excellence on Dementia Caregiving」と呼ばれる機関が2025年6月12日に発表した報告書によれば、認知症患者を介護する人の5人中3人近く(59%)が、自分自身の認知症発症の可能性を高めるリスク要因を少なくとも1つ抱えていることが明らかになりました。さらに、4人に1人(24%)は2つ以上のリスク要因を抱えている、ともされています。

この報告書は、2021年と2022年に米国の47州で収集されたデータを分析したものです。その結果、認知症患者の介護者は一般の人と比べて、脳の老化に関連する5つのリスク要因を持つ割合が高いことがわかりました 。具体的な数値は以下の通り。

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  • 特に深刻な「若い世代の介護者」の健康リスク
  • 介護者を社会全体で支えるために

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