「先生、死にたいです」その声にどう向き合うか。NY州「尊厳ある死」へ歴史的転換点
米ニューヨーク州で、終末期の患者が自らの意思で死を選ぶ「医療的死亡援助(MAID)」の法案が議会を通過し、歴史的な転換点を迎えました。生命の尊厳をめぐる倫理的な議論が深まる中、医療現場では患者の「死にたい」という言葉の裏にある苦しみを理解し、どう向き合うべきかが問われています。
山田悠史
2025.08.27
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米ニューヨーク州において、終末期の患者が自らの意思で死を選択することを認める「医療的死亡援助(Medical Aid in Dying: MAID)」の合法化に向けた法案が、州議会を通過しました(1)。
アメリカ国内でこの制度を導入する州が広がりを見せる中、国内有数の大都市を抱えるニューヨーク州でのこの動きは、個人の尊厳や自己決定権をめぐる議論に大きな影響を与える可能性があります。法案は現在、知事の署名を待つ段階にあり、その判断に全米から注目が集まっています。
この法案が成立すれば、ニューヨーク州はオレゴン州やカリフォルニア州などに続き、この制度を認める11番目の州となります。著者の所属する医療機関でも、法案成立に備えて倫理委員会での院内方針の策定を準備する動きが見られる一方、「知事が署名するまでは現行法上、違法行為である」として、職員に慎重な対応を求める通達を出すなど、各医療現場は重要な転換点を前に緊張感を漂わせています。
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- 「安楽死」との違いは「自己決定」の最終段階
- 倫理的ジレンマ ― 賛成論と反対論の狭間で
- では、どう向き合うか。「死にたい」という言葉の裏にあるもの
- 参考文献
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