「住む場所」が脳の老化を加速させる。環境と認知症の知られざる関係
今月の『Nature Medicine』誌に、私たちの脳の老化について非常に興味深い研究が発表されました。34カ国・約1万8,700人の脳画像データを解析し、大気汚染や気温、緑地の多さといった「物理的環境」と、貧困や民主主義の成熟度、ジェンダー平等といった「社会的環境」が、脳の老化速度にどう影響するかを包括的に調べたものです。今回のニュースレターでは、こちらの研究結果をご紹介します。
山田悠史
2026.04.29
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認知症の原因といえば、加齢や遺伝的素因を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかしこの研究は、私たちが「どこに住み、どのような環境で暮らしているか」が、脳の老化に想像以上に大きな影響を与えていることを示唆しています。
「脳年齢」というモノサシ
この研究で用いられている核心的な概念が「脳年齢ギャップ(BAG)」です。これは、MRIや脳波などの神経画像データからAIが予測した「脳の見た目の年齢」と実際の年齢の差を表します。たとえば実年齢60歳の人のAI予測脳年齢が65歳であれば、BAGは「+5」、すなわち脳が実年齢より5歳分老けていることを意味します。このBAGは、アルツハイマー病や前頭側頭型認知症などの病気で大きくなることが知られています。
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