「注射1本で体重2割減」の時代へ。糖尿病があっても痩せられる「三重作動薬」の実力と限界
「オゼンピック」「マンジャロ」に続く「次の痩せ薬」として注目される新薬レタトルチドの第3相試験が、医学誌The Lancetに掲載されました。肥満を伴う2型糖尿病の人が80週で平均18.8%、約21kgの減量を達成したという数字の裏にある効果と副作用、そして私たちが知っておくべき読み方を、論文をもとに解説します。
山田悠史
2026.10.15
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「痩せにくい」糖尿病の人でも大きく減量
いま世界で使われている肥満症治療薬の多くは、「GLP-1」という消化管ホルモンの働きを真似て食欲を抑える薬で、「GIP」を加えた2種類に働く薬(チルゼパチド)も登場しています。今回のレタトルチドは、さらに「グルカゴン」という3つ目のホルモン受容体にも働きかける「三重作動薬」で、食欲抑制に加えてエネルギー消費を高める効果が期待されています。
今回の研究で注目したいのは、対象が「肥満と2型糖尿病の両方を持つ人」だった点です。糖尿病のある人は、同じ薬でも糖尿病のない人より減量効果が小さいことが知られる「痩せにくい集団」です。TRIUMPH-2試験は、8か国92施設で、BMI27以上かつHbA1c 6.5〜10.5%の成人1,152人(平均年齢55.1歳、平均体重106.4kg、平均BMI 38.2)を、週1回のレタトルチド4mg・9mg・12mg、またはプラセボ(偽薬)の4群にくじ引きで分け、80週間(約1年半)追跡しました。参加者の92%は飲み薬の糖尿病治療を続け、全員が食事指導を受けています。
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