SNSが広げる「合成ペプチド」ブーム。アメリカで何が起きているのか
筋肉をつけたい、ケガを早く治したい、若さを保ちたい。そうした願いに応える「特効薬」として、いま米国で急速に広がっているのが、注射で使う合成ペプチドです。BPC-157やイパモレリンといった成分が、SNSを通じて若者を中心に人気を集めています。
山田悠史
2026.07.01
読者限定
「合成ペプチド」という言葉をまだあまり聞かれたことがない方もいるかもしれませんが、実は2026年5月時点で、ペプチド関連の投稿はInstagramで13万件を超え、TikTokでは2億3000万回も再生されているといいます。1 しかし、その大半は有効性も安全性も十分に確かめられていません。2026年6月、医学誌JAMAに掲載された論考は、この現象の裏にある「規制の穴」を指摘しています。1 今回は、その内容をかみ砕いてご紹介します。
揺れ動く規制が、かえって混乱を生んでいる
まず押さえておきたいのは、これらのペプチドの多くが、効果のはっきりした根拠を欠いているという点です。逆に、動物実験などからは、異常な血管新生(本来できるべきでない血管がつくられること)や、毒性をもつ代謝産物の発生といったリスクも指摘されており、人での安全性データはほとんどないのが現状です。2
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