なぜ空気がキレイだと認知症になりにくいのか?

今回のニュースレターでは、大気汚染と認知症の切っても切れない関係について考えます。
山田悠史 2024.02.12
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「認知症のリスクには、どんなものがあると思いますか?」

そう聞かれたら、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?「頭を使わないこと」と答える人がいれば、「運動をしないこと」と答える人もいるかもしれません。

そんな中、普段吸い込んでいる空気や耳にする騒音、あるいは飲んでいる水が認知症のリスクになると考えるひとは多くないでしょう。しかし実際には、それら全てが認知症の発症と関連があるのではと考えられています。その中で、今回は「空気」と認知症について考えてみたいと思います。

なぜ吸い込んだ空気で、脳に異常が出るのでしょう。そう不思議に思われても無理はないと思います。少し人間の体のことを知っている人であれば、吸い込んだ空気は肺に到達して肺の病気を起こすという風に考えるのが自然かもしれません。

確かに、大気汚染は喘息を代表とした肺の病気と関連することもよく知られています。しかし、実は体への影響はそれだけにとどまりません。事実、世界中で毎年約650万人もの死亡に大気汚染が寄与していると考えられています(1)。これは、大気汚染が肺にとどまらず、体の様々な臓器に影響を及ぼし、健康を害し続けているからです。

そして、その影響を受ける臓器の一つに脳があり、認知症の発症とも関連する可能性があるというのです。いったいなぜでしょうか。それを考える前に、少し大気汚染について整理しておきたいと思います。

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