アルツハイマー病の診療が変わるーFDA承認の血液検査がもたらす未来

アルツハイマー病診療が大きな転換点を迎えています。この先、この分野の発展はますます急速なものになるでしょう。今回は、そんなニュースを取り上げました。
山田悠史 2025.05.21
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米国食品医薬品局(FDA)が、アルツハイマー病の診断を補助する初の血液検査「Lumipulse G pTau217/β-Amyloid1-42 Plasma Ratio」を承認しました(1)。 この承認は、アルツハイマー病の診療に大きな変革をもたらし、認知症診療の新たな時代を開くと期待されます。検査名が長すぎてあまりピンとこないかもしれませんが、とにかくすごい検査なのです。

血液検査による早期発見の可能性

これまでアルツハイマー病の診断には、アミロイドPETや脳脊髄液(CSF)検査といった高価で侵襲的な方法が用いられてきました。 アミロイドPETは、脳内のアミロイド斑を可視化できますが、コストが高く、患者さんへの放射線被ばくも伴います。 また、アミロイドがどこにあるかを知ったところで、それが患者さんの症状に反映されないといった限界もありました。脳脊髄液検査も、腰椎穿刺という侵襲的な方法で検体を採取する必要がありました。

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  • 診断プロセスの変化と期待される効果
  • 注意点と今後の課題

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