あなたは麻疹(はしか)をどのくらい恐れるべきか?
今回のニュースレターでは、現在各所で報道されているはしかの症状やリスク、合併症、治療法から予防法まで、幅広く解説します。
山田悠史
2024.03.18
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はしかとは何か?
はしかは、空気の通り道や皮膚に影響を及ぼす、非常に感染伝播しやすいウイルスの感染症です。この感染症にかかると、主に高熱、せき、鼻水、目の充血、全身に広がる発疹などといった症状が出ます。
はしかは、感染者との直接の接触でも起こりますが、仮に直接接触がなくても、せきやくしゃみなどの飛沫で空気中に最大2時間残り続けるため、同じ空間に滞在すれば空気感染が成立しえます。実際に空港や航空機内といった様々な閉鎖空間で空気感染が成立していることが報告されています。一般に、空気感染する病原体は通常のマスクでは防ぐのが難しく、麻疹のウイルスに対する獲得免疫のない人が暴露した場合、感染確率は90%と報告されています。物体の表面でも最大2時間生き残ることができるため、汚染された物に触れることでも感染することが知られています。